不妊治療をご希望の方へ

重要:必ずお読みください↓
明々堂で不妊治療をご希望の場合ホルモン剤注射などの薬物療法を治療期間(約3ヶ月)だけ控えていただく環境必修です。ご自身で調整出来た方のみ予約をお願いします。

また不妊治療は1週間に最低1回以上のペースで約3か月(計12~16回)で妊娠可能な状態へ改善する事を目安と考えています。

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クロミッドなどのホルモン剤をある一定の期間、服用された方や体外受精を何度も経験した方を初診時にFinger Testで診させて頂くとほぼ全ての経絡(気の流れ道)が塞がっている事がほとんどです。

この状態ではどこが悪いのか?どこを治療すれば良いのか?正直全く見当がつきません。。。

そこで薬を服用しない状態で鍼灸治療を1~2回施術させて頂くと、上記の反応のなかでノイズのような反応が除去され体質の反応のみに絞れます。
そうなればどこが悪いのか、どこを治療すれば良いのか、はっきり読み出す事が出来ます。

しかし薬物療法と併用しながら鍼灸治療を行っても患者さんの体質の反応が読み出せないため、妊娠可能な状態へ改善できないまま最終的に治療を打ち切るケースになってしまいます。(それはそれで意味があるという意見もあるのでしょうが・・・)

そのような理由から薬物療法と同時進行で鍼灸治療を行っても妊娠可能な身体づくりは難しいというのが私の正直な経験からの感想です。(あくまでも私個人の経験ではという事です。)

勘違いしてほしくないのは病院での不妊治療を否定している訳ではありません。

患者さんを診る病態のフィルターが違い目指す治療のベクトルが別なだけです。それぞれ特徴や得意とする分野があると思います。

また患者さんの中には諸事情により高度生殖医療の体外(顕微)授精でしか妊娠できない方も過去何人も足を運ばれています。
なかには5回以上も体外受精が不成功で鍼灸治療後、無事出産された方も何人もいます。

そのような場合質の高い卵子を採取するためにも明々堂での治療期間中はホルモン剤や注射などの薬物療法を控えていただかないと質の高い卵子を採取する事は勿論、妊娠して出産まで維持していく体質に改善するのは難しいというのが私の考えです。

よって明々堂での治療が終了した後は病院での不妊治療(人工授精、体外、顕微授精を含め)を翌日からでも再開されて全く構いません。

あくまでも控えて頂くのは治療期間(約3ヶ月間)のみです。

将来的に人工授精や体外、顕微授精をお考えの方も投薬や注射などは鍼灸治療が終えてから行う環境をご自身で調える事が出来てからお越しください。

これが不妊治療をお引き受けさせて頂く絶対条件です。

追記(患者さん情報より):「All Aboutさんの不妊鍼灸ガイド」にもあるように不妊に対する鍼灸の効果は小さくないと考えます。

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不妊症の一般的原因

明々堂を開業して今でも一番多い相談が不妊治療です。

不妊専門で治療しているわけでもなく・・・また男でひとりで営んでいる鍼灸院ですが来堂される7割が女性の患者さんでそのうち3割が不妊治療のように感じます。理由は未だに分かりません。
(一時期は半数近くが不妊治療の時期もありましたが最近は不妊専門の治療院も周りに増えたようで以前よりは減少したように思います。)

不妊の原因も諸説ありますが近年悩まれている方が増えているのは明らかに感じます。

子供を望む意志があっても以前は2年だったのが最近は1年以上で妊娠しないと不妊症と定義されるようです。(個人的にはちょっと短い気もしますが・・・)
病院で原因とされるものもとして婦人科関連のホルモン異常、子宮筋腫や内膜症の器質的病変、習慣性流産、不育症など。

また男性側の原因として精子の数の低下、運動性の悪さなどが挙げられます。(近年WHOの発表では世界中の不妊の原因の約半数は男性という研究報告が出ています。)

一般的な治療としては月経周期をみての排卵誘発剤などの投薬によるタイミング法、人工授精、体外や顕微授精などです。

しかし妊娠しても胎児の生命維持を受け持つ経絡(気が流れる道)に負担がある場合出産までとなると容易な事ではありません。

また人工授精(AIH)や体外受精(IVF)は費用も高く回数を重ねる事に妊娠率は統計的にも落ちていくと聞きます。

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不妊症の経絡反応

東洋医学で腎・膀胱は親から受け継ぐ生まれ持ったエネルギーを保持する蔵府(男性は精巣女性では卵巣に相関するかと)。

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また肝・胆は経絡のルートは男女ともに生殖器をくまなく巡り女性にとっては特に子宮部に密接です。

理論的にも腎と肝の経絡は妊娠、出産する上でとても重要な働きを司っています。

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また実際の臨床でも不妊治療を希望する患者さんの約7、8割に腎・膀胱経絡に負担がみられる事実からも治療するのにこれら経絡を外すわけにはいきません。

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また妊娠後6週~40週の妊娠維持を受け持つのが母体側の肝・胆の経絡です。

それは何度も流産を経験された患者さんたちの経絡反応が腎・膀胱には負担は見受けられず肝・胆のみの負担がほとんどだったからです。

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数多くの不妊治療の患者さんの身体反応を拝見するうちにまず妊娠するのに必要な腎・膀胱の経絡を改善する事。

次に妊娠後は(6週~12週程度までは特に)妊娠維持を司る肝・胆の経絡を正常に保持する必要があると考えるようになりました。

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この結論は幾多の患者さんの治療時での身体反応に基づくものです。

よって今の不妊治療の私なりの理論が形成出来たのは歴代の患者さん方のお陰です。

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不妊症の鍼灸治療

不妊治療を含め体質改善には経絡の流れ全てを正常に改善する全体治療が必要です。

手掌から出ている内蔵の反応をFingerTestで読み取り負担のある蔵府・経絡を腹部診断と相関させながら治療していきます。

特に不妊の反応に出やすい肝(胆)・腎(膀胱)の経絡は足に主要なツボが集まっています。

さらに冷えの症状も随伴している事が多いのでお腹へのお椀灸が効果的です。

使うツボは日々変化しますが手足のツボと背中のツボをよく使います。これも反応が減少するツボをFinger Testで読み出し治療します。

あと不妊治療で重要な骨盤の仙骨上にある「八髎穴:はちりょうけつ」です。

このポイントは不妊治療だけでなく月経痛や子宮筋腫、内膜症の方など婦人科系に効果的な部位です。場所としても子宮の真裏に位置しはりとおきゅうで温め経絡の流れを正し活発に促します。

以上治療をまとめると

・まずは全体治療。蔵府の反応をFinger Testで隈なくみて五蔵六府を整えます。(特に肝・胆、腎・膀胱)

・妊娠、月経に重要な任、衝、両経脈の流れも忘れずに診ておきます。

八髎穴を用い冷えを改善し子宮内部の気の活動を活発に促します。 以上です。