ぎっくり腰について
靴下を履こうとした瞬間や、洗面で前かがみになった途端に…!
誰でも一度は経験したことがあるかもしれません。これが、急性筋膜性腰痛、いわゆる「ぎっくり腰」です。
症状は突然の強烈な腰の痛みで、立てない・歩けない・座れないといった状態になることもあります。中には杖をついて来院される方もいらっしゃいます。
病院ではレントゲンで異常が見つからない場合、「ぎっくり腰」と診断され、湿布やコルセットを処方されて終わるケースが多いようです。
注意点
ぎっくり腰の時は、
-
強いマッサージ
-
長時間の入浴
-
飲酒(特にビール)
これらは症状を悪化させることが多いので避けてください。
ぎっくり腰の原因
原因は大きく二つに分けられます。
① 明らかな動作によるもの
重い物を持ち上げたり、不自然な姿勢をとった際に腰に強い負担がかかり、筋肉や靱帯に捻挫や小さな断裂が起きるタイプです。普段から腰に疲労がたまっている方に起こりやすい傾向があります。
② 思い当たる原因がないもの
突然、あるいは徐々に発症するタイプです。これは東洋医学で「経筋症(けいきんしょう)」と呼ばれる状態で、腰の筋肉に慢性的に「冷え」が入り込んでいるケースです。
原因としては、冬の寒さ、冷房による冷え、長引いた風邪、冷たい飲食物(特にビール)の習慣などが考えられます。
さらに、年中ぎっくり腰を繰り返す方もいます。これは体質的に内臓の弱り(特に胃や膀胱の経絡)が関係しており、体内に冷えを作りやすいためです。その場合は体質改善の全身治療が必要です。
ぎっくり腰の治療
まず全身を整える治療を行い、その後に患部へアプローチします。
-
特に足の経絡(督脈・膀胱経・胆経)に反応が出やすいため、Finger Testで反応を確認し、まず足のツボに鍼で「気を引く」処置をします。
-
発症直後は筋肉に小さな断裂や捻挫があるため、患部への鍼は浅く、場合によっては接触させるだけで十分効果があります。深く刺すと炎症を広げる恐れがあるため注意が必要です。
-
手の甲側で反応を検知するセンサーに反応する場合、筋肉に冷えが入っているサイン(経筋症)なので、灸頭鍼で冷えを取り除きます。
治療の要点まとめ
-
患部には浅い鍼、手足のツボには引き鍼で気を調整する。
-
経筋症がある場合は灸頭鍼を行う。
-
強いマッサージ・入浴・飲酒は避ける。
以上を徹底することで、ぎっくり腰は回復へ向かっていきます。
