Finger Testとは?
Finger Testとは?
吉本クリニック外科医・吉本英夫先生からご教授いただいた Finger Test についてご説明いたします。
Finger Test とは、指先に起こる筋力の硬直現象を手がかりに病態を把握していく診断法です。その原理は、人体に本来備わっている感知能力を利用したもので、人間を含む動物がもつ原始感覚に基づいています。
例えば野生動物は、有毒な果実や牧草を咀嚼しようとすると顎の協調運動がうまく働かず、噛むことができません。これは、動物が意識せずとも脳が危険信号を感知し、無意識に筋肉の働きを阻害するためです。逆に、生命維持に必要なミネラルを含む泥や土などは問題なく摂取します。つまり動物は「有益か有害か」を本能的に振り分ける能力を備えているのです。
しかし快適な環境に慣れた現代人にとって、この感知能力は退化しているといわざるを得ません。Finger Test は、訓練によってその能力を実用レベルまで昇華させたものです。

三つの特性
Finger Test の特徴として、次の三つの現象があります。
- 硬直現象
- 中和現象
- 共鳴現象
これらを活用して病態を把握していきます。
硬直現象について
人体に有害な物質や病巣部に触れたり近づけたりすると、筋肉(特に頚部や肩部)に微細な硬直が起こります。脳が危険信号を察知し、無意識に筋肉へ指令を出すため、自覚はほとんどありません。
皆さんも「虫の知らせ」のように、嫌な場所や苦手な環境にいると落ち着かず体が強ばる経験があるのではないでしょうか。これは、心理的要因だけでなく、無意識のレベルで身体が不都合な状況や有害物質を感知している証拠です。

やり方として画像のように右手首を支点に、示指が親指上をスライドするように力を抜いて左右に振り続けます。

実施法としては、右手の指を親指の上でスライドさせるように動かし、左手に有害物質(例:猫いらず)を持ちます。すると脳が信号を捉え、右手の指先が硬直して動かなくなります。

このように指が勝手に止まる現象を Finger Test では スティック と呼びます。
また、患者の胃部に左手を近づけても同様に右手の指が硬直し、病変の存在を示すことがあります。
中和現象について
病変部をもつ患者に複数の漢方薬を順番に持たせると、ある薬だけで止まっていた指が再び滑らかに動き始めることがあります。これは、その薬が患者の身体に適合し、病巣からの信号を中和したためです。
結果として、硬直を引き起こしていた信号が取り除かれ、指がスムーズに動き出します。

この指の復元現象を 中和現象 と呼び、滑らかに動く状態を スムーズ と表現します。
この方法により、必ずしも薬を服用しなくとも「その物質が身体に適合するか否か」を判別することが可能です。医師や薬剤師の中には、この方法を用いて適合する薬剤や漢方を見極める方も多くいます。
共鳴現象について
同じ振動数をもつもの同士は共鳴するという特性を利用したものです。

例えば「瘀血(おけつ)試験管」を手に持ち、子宮筋腫の患者の下腹部に近づけると右手の指先が硬直します。心筋梗塞の患者では心臓部、膝の血腫の患者では膝部で同様の反応が見られます。これは、試験管の波動と病巣の波動が共鳴した結果です。
共鳴が起こると脳が信号を捉え、やはり硬直が起こります。これを 共鳴現象 と呼びます。一部の医師はこの現象を応用し、特定の細菌や病原体の標本を使って人体のどこに同じ振動数の病原が存在するかをマッピングしています。
まとめ
Finger Test の三大特性は、
- 硬直現象
- 中和現象
- 共鳴現象
であり、それぞれを通じて人体に潜む有害物質や病巣、適合する治療法を見極める診断法です。