肩こりについて
治療希望の中でも上位に挙がるのが、やはり肩こりです。
デスクワークをされている方なら、一度は経験される現代病の一つといえるでしょう。
最近ではスマホの普及により、学生さんが来院されることも珍しくなく、肩こりの低年齢化が進んでいることがうかがえます。
病院や接骨院では、ホットパックや電気治療で肩を温め、シップをもらって帰るという流れが一般的かもしれません。
しかし、それでは改善が見られず、はりやおきゅうを希望して来られる方も多くいらっしゃいます。
肩こりの原因
「肩こり」と一言でいっても、その原因は多岐にわたります。
サラリーマンやOLの方は、一日中パソコンに向かうことで同じ姿勢を続け、首・肩・背中に強い疲労が蓄積します。
特に首は細い筋肉群が頭を支えているため、疲れが溜まりやすい部位です。
さらに眼精疲労や頭脳労働によって頭部への気が上昇し、肩こりをより頑固なものにしています。
明々堂へ来院される方の多くは、すでに整体やマッサージを受けられてから訪れるケースがほとんどです。
そのような方々には、しばしば「経筋症(けいきんしょう)」と呼ばれる反応が関与しています。
経筋症は、ただ揉んだり単純に鍼を刺す程度ではなかなか軽減しません。
しかし、灸頭鍼(きゅうとうしん)のようにピンポイントで集中的に熱を加えると、筋肉が緩んできます。
頑固な肩こりでは、まず経筋症を疑うことが鉄則です。
肩こりの治療
肩こりであっても、まずは内臓を整える全体治療が必要です。
血液検査で異常がなくても、Finger Testでは五臓六腑に不調が見られることがあり、内臓を調整するだけで症状が半分ほど軽減するケースも少なくありません。
その後、手足に鍼を打ちます。
これは肩に溜まった悪いエネルギーを四肢の末端へと引き下ろす作用があります。
症状を和らげると同時に、いきなり患部に鍼をして悪化させるリスクを避けることもできます。
この方法を「引き鍼」と呼びます。
実際、肩こりでは「陽経」と呼ばれる経絡に反応が出ていることが多いため、まずはその経絡に引き鍼を行い、その後で首や肩の患部に鍼をします。
また、経筋症がある場合は、先ほど述べたように鍼の上にもぐさを置いて燃やし、経筋反応を取り除く「灸頭鍼」を用います。
